【地域連携室】役割はどう違う?‐病院と在宅の相談員‐

こんにちは!地域連携室 相談員の佐藤です。          

梅雨入り間近でジメジメした気候が続きますね。寒暖差も激しく変動するので,服装をどうするか,毎朝寝ぼけ眼で考えながら出勤している日々です。

皆さんも体調に気を付けてお過ごしくださいね。

さて,今回は「病院と在宅の相談員の役割の違い」と題して,相談員(ソーシャルワーカー)の役割についてと“病院”と“在宅(クリニック・診療所)”の相談員の仕事内容の違いについてご説明させていただこうと思います。

私事ですが,あかり在宅クリニックに勤める前は,神奈川県の病院で医療ソーシャルワーカー(MSW)として勤務しておりました。医療ソーシャルワーカーとは,端的に言うと“病院などの医療機関にいる相談員”のことで,患者様やそのご家族の相談事に,内容に応じた必要な支援(サポート)を行う者のことを言います。一般的には,“相談員さん”や“ソーシャルワーカーさん”と呼ばれることが多い職種です。

                                

では,具体的にはどのような仕事をしているのかといいますと,

・療養中の患者様や家族の心理的・社会的問題の解決やその調整への援助

・患者様の退院援助と退院後の生活支援

・患者様の退院後の社会復帰援助

・患者様およびその家族の受診、受療に関する援助

・患者様と家族が抱える医療費や生活費などの経済的問題の解決、調整援助

・地域ケア会議などへの参加による地域活動

                                  

・・・難しいことをしていそうに見えますよね。

平たく言うと,通院・入院・在宅療養中の方の様々な相談事にお気持ちに寄り添いながら,公的な制度や地域の資源を活用して,解決のお手伝いをするということです。相談内容によっては,現状の制度や地域の資源では解決できない課題もあるため,地域の専門家との会議等に参加して,仕組み自体にアプローチする活動を行うこともあります。

医療機関といっても,専門的な検査や治療,手術等を行う「病院」と病気の初期治療や,我々のような在宅診療を行う「クリニック(診療所)」など,機関ごとに担う役割が違います。そうなると,私たちソーシャルワーカーが行う“必要な支援”の内容も機関ごとに少しずつ変わっていきます。

通院や入院にかかる治療費などの経済的な問題,入院中や退院後の生活,復職など社会復帰における不安や課題など心理的・社会的問題を解決するためのサポートを行います。具体的には,通院中の患者様やご家族より,相談窓口(相談ブース)等で相談事をお伺いし,内容に応じて公的制度や地域の資源等のご紹介を行ったり,入院中の患者様の病室を訪問してお話を伺い,必要に応じて主治医や看護師などの院内にいる様々なスタッフと相談・調整,また地域にいる他の事業所の方へ連絡し連携を取ったりなど,病院内外の「調整役」としての役割を担っています。ときには患者様のご自宅を訪問して,療養環境を他事業所の担当者と連携して整えるお手伝いをするなど,病院の外に出て支援をすることもあります。

病院の相談員同様に,患者様・ご家族の相談事を解決するためのサポートをするという点で同様の支援を行いますが,役割として大きく異なる点は“医師や看護師が現場で行う診療がよりスムーズに行えるようサポートする”という点です。

例えば,当院に訪問診療をご依頼いただいた方については,“適切な時期”に,“より正確な情報”で初診に繋げられるよう,ご紹介いただいた病院の相談員や看護師,ケアマネジャーより,必要な情報共有を依頼し,現場の医師や看護師へ情報を繋いでいきます。また、本人・ご家族の希望や不安などを伺い,少しでも不安を取り除いて診察を受けていただけるように,当院の体制や診察費用などの制度説明を事前に実施させていただいております。

クリニックによっては診察に同行して,現場で相談支援を行う事業所もあります。

当院でも必要に応じて,相談員がご自宅に伺い,直接患者様・ご家族よりお話をお伺いしご支援する場合もあります。

療養中にお困りごとや心配事などあれば,いつでも「あかり在宅クリニック」にお電話いただければと思います。医師や看護師と一緒に解決の方法を考えていきますので,お気軽にご相談くださいね。  

参考記事:訪問診療の相談員業務について~地域包括支援センター職員の業務との違い