【事務部】訪問診療の相談員業務について~地域包括支援センター職員の業務との違い

事務部の畑です。台風が東京に近づく中、平和に仕事ができ、生活ができることに感謝します。

さて、私はあかり在宅クリニックへ入職する前、都内の地域包括支援センター職員として、4年間勤務しておりました。同じ相談員でも業務への取り組み方が全く異なるので、以下ご参考いただければと思います。

公正・中立な立場から、地域における介護予防事業のマネジメント、総合相談支援、権利擁護事業、ケアマネージャーへの支援を担う中核機関として、江戸川区では、区内27か所に設置されています。

以下の業務を主としており、三職種(保健師・看護師、社会福祉士、ケアマネジャー)で構成されております。

  1. 総合相談支援業務: 高齢者の多様な相談を総合的に受け止め、尊厳ある生活を継続するために必要な支援につなぐこと。
  2. 権利擁護業務: 高齢者の権利を守る活動や虐待防止、金銭管理のサポート。
  3. 介護予防マネジメント業務: 要介護のリスクがある方への支援。
  4. 包括的・継続的マネジメント支援業務: 地域ケア会議の開催やケアマネジャーへの指導など3.

私は社会福祉士として、窓口での各種相談業務(介護保険サービスの利用手続き、行政独自の高齢者への福祉サービスの案内等)住民に向けた福祉講座の企画・運営、地域で生活が困難な方、虐待フォローなどのケースでの地域ケア会議を開催、また包括支援センターの職員として、介護保険認定で要支援(1・2)の方のケアプラン作成を行っておりました。業務範囲は広いのですが、社会福祉士としては、高齢者の権利擁護というミッションがあり、社会福祉士だからできる支援について、多くを経験させていただきました。

私は元々、大学で社会福祉を勉強しており、医療機関(当時は病院)での医療ソーシャルワーカーをめざしておりましたが、紆余曲折あり別の道へ進みました。結婚し、子育てをする中で、福祉の道で歩むことになり、原点に返り、改め医療での相談業務に取り組みたく、ご縁あり、あかり在宅クリニックで相談員をしております。

相談員として、医療知識を身に着けることについては、入職3年目を迎えた今もなお、日々勉強です。カルテを通して、疾患、処置、算定、処方について、学び続けられる環境に感謝しています。

当院相談員は、患者様またはご家族様とお電話で初診調整を進めていきます。対面でない為、お相手に合わせて分かりやすい言葉でお伝えするスキルが必要で、かつお忙しいご家族へは短時間で必要な事項をお伝えし、聞き取る必要があります。また聞き取りした患者様の情報を、院内で正確に伝達することが重要です。日々スピーディな調整を進める中で、地域包括支援センターで相談員をしていた頃より、コミュニケーション能力が磨かれているように感じています。

また院内では電子カルテでの院内情報共有を行っており、医師、看護師は訪問診療の合間に移動中の車内で掲示板を確認をしております為、情報共有にあたっては、端的に、過不足なく伝達するスキルが必須です。医療情報を踏まえた上で、5W1H「(When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」)をとても意識するようになりました。患者様の命に関わる申し送りもあり、適切なタイミングで医師、看護師に伝えることが必要で、判断について迷う場面もありますが、当院では院内で待機している看護師へ相談できる環境があり、安心して業務に取り組める環境があります。

その他、入退院調整に伴う退院前カンファレンスへの出席、訪問看護への指示書作成等の文書作成、各種事業所との情報共有でSNSチェック、事務部門としては電話対応があります。

訪問診療の相談員は、想像以上に業務が広く、医療の知識も必要とされるため、日々勉強が必要です。一方で当院では相談員として医師、看護師、医療事務各部門と連携しやすい環境があるので、各部門の職域を理解することで、相談員として抱えすぎることなく、適切で、スムーズな申し送りが可能になります。例として、相談員デスクに看護師も入って電話応対をしている事、退院前カンファレンスには相談員・看護師が必ずセットで参加し、情報共有していること等などがあります。

院長の十九浦医師の「地域のため、患者さんのため」という強い使命を職員皆が心にとめ、それぞれの職種で日々真摯に仕事に向き合っている職場環境は、緊張する場面もありますが、毎日学びの連続で、刺激的であります。一方で院長の「職員も、その家族も幸せになって欲しい」という思いから、ホワイトな職場が形成されております。例えば状況によって残業はありますが、おおむね定時で終業しており、私は昼休憩に当院近くのジムで運動することもできています。

日本は高齢社会を迎え、ADLや認知機能の低下から、今後通院が難しくなる方が増えてくることは免れない流れです。この中で、訪問診療はより時代に求められる医療機関になりますが、たくさんの訪問診療で、あかり在宅クリニックが選ばれるクリニックになるために、私はいち相談員として、日々研鑽して参ります。