【看護部】高齢者の健康を守るタンパク質!簡単に摂取できる方法とは?

こんにちは、あかり在宅クリニックの看護師大石です!今日は、元気な生活を支えるタンパク質の大切さについてお話しします。特に高齢者の皆さんにぜひ知っていただきたい情報ですので、最後までお付き合いください。

タンパク質とは何か?
タンパク質は、私たちの体を作るための「建材」のようなものです。筋肉、臓器、皮膚など、体のあらゆる部分を構成しており、免疫機能やホルモンの生成にも深く関わっています。つまり、健康な体を維持するために欠かせない栄養素なのです。

タンパク質の具体的な役割

  • 筋肉の維持と修復: 年齢と共に筋力は自然と低下しますが、適切なタンパク質を摂取することで、筋力低下を防ぎます。
  • 免疫機能のサポート: 風邪や感染症に対する抵抗力を高め、病気にかかりにくくなります。
  • ホルモンの生成: 体内のホルモンバランスを整え、全身の健康を支えます。

サルコペニアとフレイルを防ぐために必要なタンパク質
60代になると、筋肉量が減少しやすくなります。この現象を「サルコペニア」と呼びます。サルコペニアが進行すると、筋力が低下し、転倒や骨折のリスクが高まります。また、サルコペニアと密接に関連するのが「フレイル(frailty)」という状態です。フレイルとは、身体的な機能低下、体重減少、疲労感などを含む全身の虚弱状態を指し、生活の質が低下する原因になります。

適切なタンパク質の摂取は、これらのリスクを予防し、健康な生活を維持するために非常に重要です。

必要なタンパク質の量
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、65歳以上の高齢者では、少なくとも1.0g/kg体重/日のタンパク質を摂取することが推奨されています。例えば、体重が60kgの方であれば、1日に60gのタンパク質を目安に摂ると良いです。

腎不全や肝硬変など、特定の健康状態によりタンパク質の摂取に制限がある方は、必ず担当医の指示に従ってください。過剰なタンパク質摂取がこれらの状態を悪化させる可能性がありますので、無理のない範囲での摂取が大切です。

動物性タンパク質

  • 魚: 鮭やサバなどの魚は、1切れ(約80g)で約16gのタンパク質を含みます。さらにオメガ3脂肪酸も豊富です。焼き魚や煮魚として日々の食事に取り入れやすい食材です。
  • 鶏肉: 鶏胸肉100gあたりで約22gのタンパク質を含みます。脂肪が少なく、高タンパクな鶏肉は、特に鶏胸肉やささみがいいと言われています。サラダやスープに加えると、手軽に摂取できます。
  • 卵: 卵1個(約50g)には約6gのタンパク質が含まれています。卵は調理が簡単で、栄養バランスも良いです。卵焼きや茹で卵など、毎日の食事に取り入れやすいです。

植物性タンパク質

  • 豆類: 大豆の調理済みで、1食分(約40g)あたり約6.4gのタンパク質が含まれています。味噌汁や煮物に加えると、簡単に摂取できます。
  • ナッツ: アーモンド20粒(約30g)には約6gのタンパク質が含まれています。ナッツは健康的な脂肪も含み、間食にも適しています。
  • 豆腐: 木綿豆腐1/2丁(約150g)で約10gのタンパク質が含まれています。和食の定番である豆腐は、様々な料理に使えるため、バリエーションが豊富です。味噌汁や鍋物、豆腐ステーキとしても楽しめます。
  • ブロッコリー: ブロッコリーの茹でたもの1カップ(約90g)には約3gのタンパク質が含まれています。ビタミンCや食物繊維も豊富で、サラダやおかずとして手軽に摂取できます。

タンパク質が不足すると?

  • 筋力低下: 筋力が落ちると、転倒や骨折のリスクが増加します。
  • 免疫力低下: 病気にかかりやすくなり、回復も遅れがちになります。
  • 傷の治りが遅れる: 傷や手術後の回復が遅くなることがあります。

これらのリスクを避けるためにも、日々の食事でしっかりとタンパク質を摂取することが大切です。

食事の工夫

  • 分散摂取: 一日の食事に均等にタンパク質を取り入れることで、吸収効率が高まり、体の負担も軽減されます。1回の食事で60gとるのではなく、1回の食事で20gを3回とれるようにするのがいいです。
  • 嚥下障害に配慮: やわらかい食材やスムージーなど、食べやすい形で提供すると良いでしょう。

簡単レシピ

  • 豆腐ハンバーグ: 豆腐とひき肉を混ぜて焼くだけ。消化に優しく、高タンパクでありながら低カロリーです。
  • 鶏ささみのサラダ: 茹でた鶏ささみをサラダにトッピング。軽くて栄養価の高い一品です。
  • ヨーグルトとナッツのボウル: ヨーグルトにナッツとフルーツを加えるだけの簡単朝食。手軽にタンパク質を摂取できます。
  • 味噌汁に豆腐: 定番の和食で、簡単に植物性タンパク質を摂取できる一品です。

高齢者の健康を守るためには、適切なタンパク質の摂取が欠かせません。今日ご紹介したレシピや食材を参考に、まずは日々の食事からタンパク質を意識してみましょう。ご家族や周りのサポートを得ながら、バランスの良い栄養を取り入れ、健康で充実した生活を送りましょう。

ただし、腎不全や肝硬変など、タンパク質の制限が必要な方は、必ず担当医の指示に従ってください。一緒に健康な生活を目指していきましょう。

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