【看護部】熱中症の実際について

こんにちは、看護師の石田です。蒸し蒸しとした嫌な日が続きますね…。梅雨を越して夏がやってきそうな勢いです。季節の変わり目がなくなってしまうようで寂しい気持ちになります😢

前回看護師のブログで「高齢者の熱中症対策」についてお話しました。今回は熱中症の実際についてお話していきたいと思います。

診察に伺ったときに感じることとして、お部屋の窓やカーテンが閉め切られ、暖房がついていたり、扇風機やエアコンを使っていないためお部屋の中が蒸し蒸し…。また季節や気温に合わない服装をしているためお熱を測ると、こもっているせいで37.0℃を超える方も多々いらっしゃいます。

暑くないですか?と聞くと「暑くない」「冷房は使ったことがない」「エアコンは苦手」という声を多く聞きます。ご家族や訪問者(訪問医師・訪問看護師・ヘルパーなど)に冷房器具の使用を勧められたり、衣服や掛物を調整したり、窓や戸を開けるなどの環境調整の提案を受けるという場面も多いのではないでしょうか。

下の資料は総務省が出している令和5年の熱中症による救急搬送状況(5~9月)です。

全国累計91,467名、昨年度は71,029名と比べると20,438名も増えています。

▶年齢区分別:高齢者(満65歳以上:54.9%)が最も多く、次いで成人(満18歳以上満65歳未満:33.8%)、少年(満7歳以上満18歳未満:10.5%)、乳幼児(生後28日以上満7歳未満:0.9%)

▶初診時における傷病程度別:軽症(外来診療:67.2%)が最も多く、次いで中等症(入院診療:30.1%)、重症(長期入院:2.1%)、死亡(0.1%)

▶発生場所別:住居(39.9%)が最も多く、次いで道路(16.6%)、公衆(屋外:12.8%)仕事場①(道路工事現場、工場、作業所等:10.2%)

・熱中症は軽症が最も多く、家の外に限らず家の中にいても罹ります。ただ軽症のため自分が熱中症だと気づきにくいことが多いようです。ご家族や訪問者の声に耳を傾けて、冷房器具や窓を開けるなどの環境調整、衣服をうまく使って体温調整をすることに協力して頂けると嬉しいです☺

 ちなみに都道府県別にみると東京都が1位(7,325名)と最も多く、続いて大阪府(5,951名)、埼玉県(5,719名)、愛知県(5,422名)の順となります。

少ない都道府県は高知県(526名)、鳥取・島根県(623名)、山梨県(647名)でした。                                                           

                          総務省消防庁令和5年10月の報道資料より               

1995年(平成7年)総数:318名→65歳以上179名56.3%

2014年(平成26年)総数:529名→ 〃  428名80.9%

2018年(平成30年)総数:1,581名→ 〃 1,288名81.5%

2020年(令和2年)総数:1,528名→ 〃 1,316名86.1%      

                             厚生労働省「人口動態統計」より

約30年前と比べると総数だけでも約5倍に増えており、65歳以上の死亡者数は56%から86%にまで上昇しています。実際の数字を見ると他人ごとではないと身近に感じるのではないでしょうか。

外に出なければ大丈夫!ではないので、家の中でも水分補給や冷房器具を使用して猛暑を乗り切りましょう。