【事務部】訪問診療を受けていらっしゃる方が病院への入院をご希望される場合

ご入院を望まれる場合、医師より説明を行います。

事務部の畑です。前回は【事務部】退院前カンファレンスで当院が訪問診療として大切にしていることについて皆様へお伝えいたしましたが、今回は事務部・相談員が行っている入退院の調整と付随する業務についてご説明します。

当院の定期訪問での診察を受けていらっしゃる方がご入院を希望された場合、または入院先より退院となった場合、当院では以下の様に対応しております。

入院を希望されるケース

①ご状態が急変され、ご本人・ご家族がご入院を希望される場合 ②ご自宅での介護が大変な状況で、入院での療養を望まれる場合 が主となります。

ご本人・ご家族より加療希望がある時の入院について

当院が月1~2回の定期訪問での診察を行う中で、ご本人の病状をふまえた上で、ご本人、ご家族と相談し、希望によっては、病院での検査や入院をお勧めする場合がございます。その場合、現場医師、看護師より申し送りの後、当院相談員より以前かかっていた病院、またはご本人、ご家族が希望される病院や入院相談ができそうな病院の相談窓口(地域医療連携室、医療福祉相談室など)へ連絡、相談の後、当院より診療情報提供書を送付し、お受入れについて打診します。

ご本人の状態によっては急を要する場合もありますが、病院によっては、受診の後、医師判断での入院となることがあるため、ご家族の協力が必要となります。ご家族の支援が難しい場合、通院介助のヘルパーさんの支援や介護タクシーの手配が必要となります。

➋ご自宅での介護が大変な場合での入院について

何らかの理由で自宅での生活を継続するのが難しくなった場合、施設への入居や長期の入院が必要となる場合があります。例えばショートスティは制度上連続で30日、老人保健施設(老健)の場合は、最長半年の入所が可能ですが、病状によっては、入院の方が適切という場合がございます。その場合は、地域包括ケア病棟等への入院調整を行います。地域包括ケア病棟は最大60日受け入れ可能ですが、実際の受け入れ日数は、それぞれの病院の状況で変わります。

▼退院され、ご自宅へ戻られるケース

退院され、ご自宅に戻られる際も、入院先の病院と密に連携していきます。ご入院中のご病状の変化、必要な医療処置や入院中のADLの変化についてなど、医療連携室等を通じて、入院先の主治医への診療情報提供書(紹介状)を作成依頼、病院の看護師や相談員の方からの情報収集などをふまえて、院内で情報共有を行います。事前に当院の相談員が出来る限りの情報収集をすることで、帰宅後の診察がスムーズに行えるように情報整理しています。その方法の一つが退院前カンファレンスになります。

▼入院先より施設へ戻られるケース

ご入院先よりご自宅に戻るのが難しい場合、そのまま施設へご入居される方がおられます。当院で引き続き診察が可能な施設の場合、施設側の医療サポート体制(常駐の看護師さんがおられるか、指定の薬局の有無、日中、夜間の対応など)を確認し、通常の診療、夜間の緊急往診に備えていきます。入居される施設によって様々なルールがあるので、注意が必要です。

▼入退院調整は、在宅療養継続において大切な連携です

入院による治療、レスパイト入院等によって、ご本人・ご家族の介護負担が減り、病状が安定することで、出来る限り落ち着いた状態で在宅生活を続けることができます。また入院中にADL低下があり、退院後の通院が難しい方は、訪問診療による定期診察での経過観察が重要です。

一方、入院のニーズがあった場合でも受け入れ先が見つからず調整が難航するケースもあり、数ある相談員業務の中で、緊張感がある業務の一つです。

地域の病院、居宅介護事業所のケアマネジャーや訪問看護ステーションの方々との連携をますます強化して、ご本人やご家族のご負担が軽減され、入退院の支援できる様、相談員としてのスキル向上を目指したいと思います。