【事務部】ショートスティ先の訪問診療について

夕方、日に日に短くなる陽の移ろいを感じながら、立秋が過ぎても日中の暑さが身に沁みます。

「あかり在宅クリニック」事務部、井上がブログをご案内いたします。 

今回のテーマは「ショートステイ先に先生は来てくれるの?」

 

ご自宅で介護を続けていると、冠婚葬祭などで自宅を数日間空けなければならない、出張が入る予定がある、介護者が体調を崩したなど、一時的に在宅介護が難しくなる場合があると思いますが、そんな時に頼りになるが「ショートステイ」です。

〇ショートステイって何?

「短期入所生活介護」「短期入所療養介護」とも呼ばれ、最短1日から数日、数週間という短期間で施設に入居し介護・支援を受けられる介護保険サービスです。

おこなっている施設は、ショートステイ専門施設のほか、特別養護老人ホーム、老人保健施設、小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)など様々あります。

※ご利用についての詳細は担当のケアマネジャー、各施設の窓口にお尋ね下さい。

〇ショートステイ先への診療訪問はできますか?

当院のように、ご自宅等への定期、不定期の訪問診療をおこなっていますと、時々ですが宿泊しているショートステイ先に訪問させていただくことがあります。

 ※特別養護老人ホーム(特養)、老人保健施設(老健)に併設の場合は施設を担当している医師がいるため、

専門性の高い病気への診察などの例外を除き施設の担当医が診察をします。

しかし、ショートステイは自宅では無いため、訪問診療をおこなうには決め事があります。

それは、

「ご自宅で診察をした日から30日以内であれば、ショートステイ先でも診察できる」

ということです。

元々、ショートステイは30日を超えて連続利用できない、とする基本ルールがあり、連続利用を希望していても31日目は泊まれないのです。

介護や医療に携わっていると「ショートステイの30日ルール」と呼ぶことがあります。

短期(数日)入所の施設であって、長期(数か月)入所の施設では無いですよ、って事なのです。

そのため、医療でもルールに準ずる制限が設けられているようです。

             

〇30日を超えてショートステイを利用する場合の診察は?

事情があって長いご利用になる場合、最後の診療から31日目までの間にはご自宅に帰宅していただき、そのタイミングで訪問診療がご自宅にお伺いして診察させていただいています。

・・・例えば・・・

8月31日に自宅で診察。

9月1日からショートステイの利用開始。

9月30日までの間であれば、ショートステイ先への定期診察、往診が出来ます。

10月1日は自宅に帰って自宅で診察。そして一泊。

10月2日からショートステイを再利用。

※末期の悪性腫瘍の場合はこの限りではありません(他にも例外あり)

〇ルールが若干、改定されました。

2020年にルールの変更があり、「自宅で診察をしてから30日以内」というルールから、入院先より直接ショートステイに入所した場合であれば、自宅で診察を受けていなくても入所後30日後までは訪問診療が可能、となりました。

家族、介護環境、住環境の理由で、退院後に自宅に帰ることが難しく、退院と同時にショートステイを利用するという状況に配慮した変更となっています。

〇まとめ

色々と制限、制約はありますが、状況によっては皆様のご苦労を少し軽減できるのではないでしょうか。

介護保険と、医療保険。専門的な内容が多いため、簡単には説明しにくい事柄も多いので、困ったら、先ずはケアマネジャーや当院の相談員にお尋ね下さい。