【地域連携室】訪問診療を受けている方が施設入所をご希望される場合(ホスピス型)

みなさん,こんにちは!地域連携室 相談員の佐藤です。

暦の上では,もう秋だそうです。信じられません!!まだまだ酷暑の夏!

40度近い気温の日々がまだまだ続いておりますので,皆様も水分・塩分補給をこまめに摂って,部屋の温度調整など熱中症予防に努めていきましょうね。

さて,今回は「訪問診療を受けている方が施設入所をご希望される場合(ホスピス型)」と題して施設の種類や円滑に調整するために必要な情報についてお伝えさせていただきます。

現在,国では入院できるベッドの数を削減し,在宅ケアを推進する動きが活発化しております。そのため,病院で入院する以外の療養先の確保,需要が高まってきており,施設に入所しながら医療と介護のサービスが受けられる「ホスピス型」の有料老人ホームが近年注目&急増している状況にあります。この「ホスピス型有料老人ホーム」という名称は現状では正式に制度化された施設の形態ではなく,便宜上そのように呼ばれることが多い施設の種別となっています。

ホスピス型有料老人ホームは、医療・介護サービスをいつでも受けられる施設で、末期がんや難病疾患などを患った方が、“治療”を目的とせず,残された時間を”自分らしく“(痛みや苦痛をできる限り取り除き),穏やかに生活することを目的とした施設となります。

病院とは違い,入居期間に定めがなく,家族との面談や外泊が比較的しやすいのも特徴的です。基本的には最期まで入居し続けることができる施設となります。

一方で,治療を目的とした施設ではないため,専門的な検査機器や治療設備はなく,施設に併設している訪問介護の事業所や訪問看護ステーションなど,介護サービスでの専門的なケアを受けつつ,病院や我々のような訪問診療等,近隣のクリニックと必要に応じて連携して入居者の方の健康管理を行っている施設が多くあります。

当院も江戸川区内のホスピス型有料老人ホームへ訪問し,入居されている方へ定期的に診察を行っております。

入所の対象については施設により様々ですが,代表的な疾患は下記の通りです。

【対象疾患(例)】

・末期がん

・進行性筋ジストロフィー症

・筋委縮性側索硬化症(ALS)

・後天性免疫不全症候群

・パーキンソン病

などなど…

※人工呼吸器や経管栄養等の医療行為や皮膚処置などの医療の専門的ケアを要する方も入所可能な施設はありますが,施設ごとに対応可否は異なるため適宜確認が必要です。

実際に施設入所を考える際に,下記の4項目の情報を整理しておくと、入所先の施設への問い合わせや見学等行う時に,よりスムーズに調整が進みます。検索時の参考にしてみてください。

ご本人に必要な在宅酸素や人工呼吸器,点滴などの医療行為や傷や皮膚トラブルのケアなどの処置内容を確認しておき,その対応は希望する施設で可能なのか事前に確認しておくと入所後も安心して生活ができます。

施設によっては入所一時金や保証金などが必要となるところもあります。月額の入所費用だけでなく,入所時かかる費用負担はどの程度まで可能なのか,じっくりと考える(必要に応じてはご家族と相談することも必要です)ことが必要となります。生活保護を受給されている方は,保護課担当のケースワーカーさんと相談することが必要です。

“本人宅近くがよいか,頻繁に面会に行かれるご家族宅の近くのがよいか“”同じ区内がよいか,県内まで広げられるか”また,自家用車等をお持ちの方であれば”隣県まで範囲を広げて検索しても良い“という場合もあります。検索地域を絞ることで,より条件に見合った,候補施設が出てくるかと思います。

“個室が良い“”お部屋内にトイレがほしい“”家族や友人が面会・外出が自由にできるところがよい“など,ご希望の条件を一度全て挙げてみて,譲れない条件を絞ってみると,より希望に近い施設が浮かび上がってきます。検索する中で希望条件を柔軟に変化していくことも必要になります。

最近では有料老人ホームを無料で探してくれる民間の事業所も増えてきておりますので,専門業者にサポートしてもらうことも効率的に検索する方法の一つです。また,ご入院中に検索する際は,入院されている病院の相談員(ソーシャルワーカー)や退院調整看護師の方へ相談すると,一緒に施設を検索・調整のサポートをしてくれる場合がありますので,身の回りの相談窓口・サポーターを探してみるのも良いかもしれません。

当院訪問診療ご利用中の患者様につきましては,我々相談員へご相談いただければ,ご本人のお身体の状態・ご希望に沿い施設検索を一緒にお探しいたしますので,いつでもご相談くださいね。

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