【看護部】帯状疱疹について
10月になりようやく秋の涼しさが感じられるようになりましたね。今回、帯状疱疹について説明します。
帯状疱疹とは
過去に水痘(水ぼうそう)にかかった時に体の中に潜伏した水痘帯状疱疹ウィルスが再活性化することにより、神経に沿って、典型的に体の左右どちらかに帯状に時に痛みを伴う水疱(水ぶくれ)が出現する病気です。合併症の一つに皮膚の症状が治った後に痛みが残る「帯状疱疹神経痛」があり、日常生活に支障をきたすこともあります。日本人の成人ではおよそ9割の人が水痘・帯状疱疹ウィルスを体内にもっていると考えられています。50歳を過ぎると発症が増え始め、80歳までに3人に一人が発症します。


自覚症状としては『ピリピリ』といった神経痛の訴えがよくきかれます。治った後も痛みが持続される方もいらっしゃいます。背中~腰部にかけて帯状に発疹が出現する方もいれば顔面に発疹が出現する方もいます。顔の感覚神経である三叉神経、顔面神経、聴神経などの脳神経に沿って出ることがありその場合は目や耳、顔の動きなどに後遺症を残すことがあります。

帯状疱疹になってしまったら
当院では帯状疱疹の可能性がある患者さんに対して検査キットを使用した検査を実施しています。※当院では在宅診療で関わっている患者さんに限ります。検査は綿棒のような物で水疱部をこするだけです。検査結果は10分程ででます。検査の結果に基づき内服薬や軟膏の処方をしています。一度帯状疱疹に罹った方でも半年ほど経過し再度罹る方もいると言われています。
治療について
ウィルスを退治する抗ウィルス薬や、痛みを抑える鎮痛薬などを使います。抗ウィルス薬による治療は、できるだけ早く開始することが大切です。痛みを伴う発疹を見つけたら早めに受診をしてください。
生活について
周囲の人に帯状疱疹としてうつることはありません。しかし、水痘・帯状疱疹ウィルスに対する免疫を保有していない人には感染する可能性があり、その場合は水ぼうそうを発症します。
予防について
帯状疱疹ワクチンには『生ワクチン』と『不活化』の2種類があります。お住まいの自治体や医療機関によって取り扱うワクチンは異なる場合はありますのでお住まいの自治体のご案内もあわせてご確認ください。生ワクチンは皮下に1回接種で予防効果は5年。不活化ワクチンは2ヶ月の間隔をあけて2回筋肉内接種。予防効果は10年。主に50歳以上を対象としています。各自治体に助成があり、自己負担額などに関してはホームページを参照ください。
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e054/kenko/iryo/yobosesshu/taijohoshin.html
↑【江戸川区の帯状疱疹ワクチンについて】
※自治体によってはいつ中止になるかわかないので打ちたい人は確認をしましょう。江戸川区では任意接種が令和8年3月31日までとなります。帯状疱疹ワクチンは2025年より定期接種も開始されております。
対象者:今年度65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳以上になる方
費用の一部を公費で接種することができます。定期接種による公費負担を受けられるのは生涯に一度だけです。

↑江戸川区ではこのような接種券が届きます。
当院では在宅診療で関わっている患者さんに不活化の帯状疱疹ワクチンを自宅で接種することができます。接種をする際はかかりつけ医へ相談をしましょう。

〈参考文献〉
厚生労働省 帯状疱疹
江戸川区 帯状疱疹予防接種費用の一部助成
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e054/kenko/iryo/yobosesshu/taijohoshin.html
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