主には以下のような
対応が可能です
- 診察/投薬
- 採血
- 点滴
- 尿検査
- 心電図検査
- 超音波検査
- 各種感染症検査(インフルエンザ、コロナ、細菌など)
- 睡眠時無呼吸検査
- 中心静脈管理
- 胃瘻管理/胃瘻交換
- 人工呼吸器管理
- 気管切開管理
- 尿道カテーテルなど各種カテーテル管理
- 膝関節穿刺
- 褥瘡ケア
- 創傷処置
- 緩和医療
- 胸水穿刺
- 腹水穿刺
- 抗生剤点滴治療
- ホルター心電図(24時間心電図)
- 経鼻胃管挿入・管理
など
採血
当院では必要時に患者様の御自宅にて採血検査を行うことが可能です。
診察時に行いますので、検査自体は数分で行います。
病院でしか行えない特殊な項目を除き、一般的な項目に関して検査可能です。
例えば、貧血や肝機能、腎機能、炎症反応(白血球・CRP)、血糖(HbA1c)、コレステロール、尿酸などの一般項目はもちろん、腫瘍マーカー(特殊な項目以外)も測定可能です。
検査自体は外注のため、結果は最速で翌日となります(土曜日の場合は週明けの平日)。
採血結果が問題ないと判断した場合は、通常、次の診察時に結果説明を行います。
しかし、結果に問題がある場合は、判明次第ご連絡いたします。
点滴
当院では治療上必要と判断した患者様に対して、ご自宅で点滴治療を行うことが可能です。
点滴の主な目的は水分補給で、特に脱水等にて飲水ができなくなっている患者様に対して有効な治療であると考えます。
自宅で点滴を行う場合は、病院のような点滴棒は必須ではなく、ご自宅にあるハンガーやフック等を利用して行います。
点滴の適応などについては主治医と相談してください。
心電図検査
当院では動悸などの症状があった際に心電図検査を行うことが可能です。
御自宅の布団やベッドに寝ていただいた状態で測定します。
数分程度、安静の状態を保っていただく必要があります。
この検査により不整脈等、心疾患の診断が可能となります。
超音波検査
当院では必要時に超音波検査(エコー)を行うことが可能です。
具体的には心臓の動きは弱っていないか、膀胱に尿が溜まっているか(残尿測定)、胸やお腹の中に水が溜まっていないか(胸水・腹水)、胆のうに石がないか(結石)などを評価することができます。
御自宅の布団やベッドに寝ている状態で検査できるため、痛み等の苦痛は伴いません。
各種感染症検査(インフルエンザ、コロナ、細菌など)
当院では各種感染症の検査が可能です。
例えばコロナウィルスやインフルエンザウィルスなどの簡易検査(迅速検査)や帯状疱疹の診断のためのウィルス迅速検査か可能です。
迅速検査とは、簡単なキットを使い短時間で原因病原体を検出できる検査です。具体的には鼻や喉の奥の粘膜を綿棒で拭って検体を採取します。検査の種類によりますが、おおよそ5~15分程度で結果が判明します。
少々の苦痛を伴いますが迅速検査をして早期発見することで、スムーズな治療の手助けとなり症状の改善につながります。
ただし結果が陰性だったからといってコロナやインフルエンザに感染していないとまでは言い切れません。よって結果の判断については主治医と相談し対応を相談していきます。
その他、コロナウィルスPCR検査や細菌培養検査も外注可能です。
睡眠時無呼吸検査
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、寝ているあいだに何度も呼吸が止まったり、浅くなったりする病気で、ほとんどの場合で激しいいびきを伴います。日中も眠気を感じ、集中力が低下して事故の原因となることもあります。また高血圧症を合併しやすく、脳卒中や心筋梗塞、糖尿病との関連も指摘されています。
日本における睡眠時無呼吸症候群患者は約500万人とされていますが、そのうち適切に治療を受けているのはせいぜい1割程度と言われています。この病気は治療によって劇的に改善することが多く、周りの人にいびきや無呼吸を指摘されたら早めに専門医療機関を受診することがすすめられています。
当院では自宅での簡易検査を行うことが可能です。
睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP:Continuous Positive Airway Pressure)という治療方法が行われます。
寝るときに機械をつけて行う治療ですが、寝ている間の無呼吸を防ぐために気道に空気を送り続けて気道を開存させておくというものです。
CPAP装置からエアチューブを伝い、鼻に装着したマスクから気道へと空気が送り込まれます。
当院ではCPAP療法の管理も行っています。
気管切開管理
肺に空気を送ったり、痰を吸引しやすくするために気管に孔を開けることを気管切開といいます。切開した気管には、気管切開チューブというものを挿入します。
気管切開が必要になる場合は多岐にわたりますが、主には以下のような患者様が適応となります。
- 長期間人工呼吸が必要な場合
なんらかの理由(病気)のため自力での呼吸ができない方は人工呼吸が必要となります。 - 痰の吸引
身体機能の低下により、痰を自力で出すことが困難だったり、誤嚥性肺炎を繰り返すような場合、適切な痰の吸引が必要になります。その場合、直接気管内を吸引できるようにする必要があり、気管切開を行うことがあります。
当院では気管切開を行われている患者様の全身管理、気管チューブの定期交換等を行っています。
膝関節穿刺
膝の関節の中には、関節がスムーズに動くための潤滑油のような役割を果たす「関節液」が存在します。この関節液は健常者においても常に作られながら吸収され、一定の量になるように調整されていますが、何らかの原因により関節液が作られるスピードが吸収されるスピードを超えてしまうことがあります。これにより「膝に水が溜まる」という症状が起きます。
当院では膝に痛みがでてきて膝に水が溜まったときに、症状を緩和する目的で関節穿刺を行い、関節液を抜く処置を行うことが可能です。また関節液を抜くだけではなく、状況に応じて関節内にヒアルロン酸などの薬剤を注入する場合もあります。 自宅でも比較的安全に行える処置ですが、関節内に針をさす処置の為、まれに合併症を伴う場合があります。
主な合併症としては
- ① 感染
通常、関節内は無菌状態が維持されています。しかし、関節穿刺を行うことで体の表面にいた細菌が関節内に入ることがあります。細菌が関節内に移行し感染を起こすと、膝が赤く腫れたり、熱を持ったり、痛みを伴うことがあります。 - ② 出血
関節穿刺の際に関節周囲の血管を傷つけてしまい出血を起こすことがあります。多くの場合は細い血管の損傷にとどまるため、自然に止まることがほとんどです。仮に穿刺後に貼付していたテープなどを剥がした際に出血が起きても、綺麗なガーゼなどでしばらく圧迫すれば止血されることが多いです。しかし、他の持病などで血液をサラサラにする薬を飲まれている方やもともと血が固まりにくい病気の方、またより大きな血管を損傷してしまった場合などは自然に止血されないこともあります。圧迫しても止まらない出血の際には速やかに当院へご相談ください。 - ③ その他
そのほかの合併症として、特に関節内に薬剤を注射した場合などに起こりやすいものもあります。例えば、アレルギー反応は通常原因となる薬剤などの物質を投与されてから数時間以内に、発疹・呼吸困難感・腹痛などの多彩な症状を生じる合併症です。血管以外の神経、靭帯、腱などの損傷も稀な合併症の例です。穿刺のみでこれらの組織に重大な損傷をきたすことは稀ですが、薬剤注入などを伴うと症状をきたす可能性があります。
褥瘡ケア
褥瘡とは、寝たきりなどによって、体重で圧迫されている場所の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができてしまうことです。一般的に「床ずれ」ともいわれています。
在宅医療が必要な患者様は、寝たきりの方も多く、よく褥瘡ができます。
そのため当院では褥瘡治療も行っています。褥瘡が重度の場合はデブリードマンという処置も行います。デブリートマントは壊死(えし)物質や細菌感染組織などを物理的に除去し、治癒を促進させるための手技です。
胸水穿刺
肺は周りをろっ骨に囲まれ、下は横隔膜でお腹と区切られています。
胸水とはこの間に水が溜まっている状態です。通常の方でもごく少量の胸水はあります。これは肺がスムーズに膨らんだり縮んだりするために必要です。病気としての胸水とは、この液体がレントゲンなどで確認できるほど胸に溜まって増えた状態のことを指します。
胸水は少量の場合や、ゆっくりと増えている時は自覚症状がない場合が多く、検査で初めて指摘されることもあります。しかし胸水が大量の場合や、急激に増加すると、肺や心臓が圧迫されるため呼吸が苦しかったり胸が痛かったりなどの症状が出現します。
病気による胸水の増加は、例えば悪性腫瘍(がん)、肺炎、結核、心不全などさまざまな病気で起こります。病気の診断のために胸水を採取するのが胸水穿刺です。
処置としては比較的安全に実施でき、ベッドサイドで実施することが多い検査です。
胸水穿刺の主な目的は、
- ① 採取して胸水検査を行い、病気の原因を調べる。
- ② 胸水の除去による呼吸困難等の症状の緩和。
です。
通常、①は病院で行われます。当院で行う胸水穿刺は主に②の目的(症状緩和)で行います。
胸水穿刺は患者様の自宅で行うことが可能ですが、検査が可能な姿勢を保持していただく必要があります。処置の時間としてはおよそ30分~1時間程度です。
安全に行うために、まずエコーで胸水の位置を確認します。安全に穿刺できると判断したら、痛みが最小限になるように麻酔をしたうえで針を刺し、胸水を抜きます。
通常、1回につき約500~1000cc程度の胸水を抜きます。それにより呼吸困難等を改善することが可能となります。
胸水穿刺は比較的安全に実施可能ですが、針を刺す処置となるため合併症がおこるリスクはあります。
起こりうる合併症に以下のものが挙げられます。
- 胸痛
- 出血
- 肺の穿刺および胸腔への空気の漏出(気胸)
- 失神
- 感染症
- 脾臓や肝臓の穿刺
- 肺内の液体の貯留(肺水腫)、大量の胸水が数週間から数カ月みられた後に急速に除去された場合に起こる。
当院で行う胸水穿刺は主に呼吸困難等の苦痛症状を緩和する目的で行います。
よって、胸水穿刺のリスクが高い場合や、ご本人・ご家族が処置をご希望されない場合は、その他の方法で苦痛緩和に努めます(酸素や薬剤等)。
適応については担当医とご相談ください。
腹水穿刺
腹水はおなかに水が溜まった状態です。もともとお腹の中には腸がスムーズに動くために50ml程度の腹水が存在しています。しかしこの腹水が病気により異常に増えた場合、お腹が膨れてきます。大量に腹水が溜まった場合はお腹が苦しくなり、食事が食べられなくなったり動きづらくなったりします。
病気による腹水の増加は、例えば悪性腫瘍(がん)、肝疾患(肝硬変、慢性肝炎等)、心不全、ネフローゼ、低栄養(低アルブミン血症)などさまざまな病気で起こります。病気の診断のために腹水を採取するのが腹水穿刺です。
処置としては比較的安全に実施でき、ベッドサイドで実施することが多い検査です。
腹水穿刺の主な目的は、
- ① 採取して腹水検査を行い、病気の原因を調べる。
- ② 胸水の除去による呼吸困難等の症状の緩和。
通常、①は病院で行われます。当院で行う胸水穿刺は主に②の目的(症状緩和)で行います。
腹水穿刺は患者様の自宅で行うことが可能ですが、検査が可能な姿勢を保持していただく必要があります。処置の時間としてはおよそ30分~1時間程度です。
安全に行うために、まずエコーで腹水の位置を確認します。安全に穿刺できると判断したら、痛みが最小限になるように麻酔をしたうえで針を刺し、腹水を抜きます。
通常、1回につき約1000~4000cc程度の腹水を抜きます。それにより腹部膨満感等を改善することが可能となります。
腹水穿刺は比較的安全に実施可能ですが、針を刺す処置となるため合併症がおこるリスクはあります。
起こりうる合併症に以下のものが挙げられます。
- 腹痛
- 出血
- 感染症
- 電解質異常
- 血圧低下
当院で行う腹水穿刺は主に呼吸困難等の苦痛症状を緩和する目的で行います。
よって、腹水穿刺のリスクが高い場合や、ご本人・ご家族が処置をご希望されない場合は、その他の方法で苦痛緩和に努めます(薬剤等)。
適応については担当医とご相談ください。
抗生剤点滴治療
当院では治療上必要と判断した患者様に対して、ご自宅で抗生剤の点滴治療を行っています。
在宅医療が必要な患者様は、ご高齢の方や、様々な病気を持っている方が多く、そのような方は一般の方より免疫力が低下しています。
免疫力が低下すると、ウィルス(コロナやインフルエンザ等)や細菌等に感染しやすく、急激に状態が悪化し、場合によっては生命に関わる可能性があります。
特に、肺炎や尿路感染症などの頻度が多く、これらが発症した患者様は速やかな抗生剤治療が必要です。
患者様によっては内服の抗生剤にて速やかに症状が改善し元気になる方もいますが、元々内服が飲めない方や、感染症が重度で内服が困難になった方は抗生剤の点滴が必要となります。
重度の感染症の方は、病院へ救急受診し入院にて治療する場合も多いですが、患者様によっては病院受診が困難だったり、病院受診自体をご希望されない方もおられます。
その場合、当院にて抗生剤の点滴治療を行います。
治療の適応については主治医と相談して行います。
ホルター心電図(24時間心電図)
24時間ホルター心電図とは、小型の心拍を記録する装置(心電図)を24時間身につけて、日常生活中の心拍のデータを記録し解析する検査です。
一般的に行われる心電図は、ベッド等に横になり測定します。しかし測定時間は数十秒と短時間のため、その間に不整脈が出ない場合、正確な診断が困難です。
よって時々不整脈がでてすぐにおさまってしまう方(病院に行って測定したら正常)などの方には長時間の心電図を記録し続けるこの検査が欠かせません。
24時間ホルター心電図検査では長時間心電図を記録することにより、一過性の異常や、日常生活で行う動作中に起きる心拍の異常を検出することができます。
検査中に動悸や胸痛などの自覚症状が出た場合は、「行動記録カード」に記入していただき、それを記録した波形と比較することで、症状と不整脈や虚血性心疾患(狭心症)の関連を調べたりもできます。
当院ではホルター心電図検査を行うことが可能です。
当院で用いている機器はとても小さく、つけている間(検査中)も入浴することが可能です。
ご希望の場合は主治医と相談してください。
経鼻胃管挿入・管理
経鼻胃管挿入は、一般に以下の目的で行います。
- ① 胃の内容物を出すため(例:腸閉塞)
- ② 胃の内容物の状態を確認するため (例:吐血したか判断がつかない時)
- ③ チューブ(くだ)から薬剤や栄養を直接入れるため
経鼻胃管挿入は安全性の高い手技ですが、以下のような合併症が起きる可能性があり、まれに合併症に対する治療が必要になることもあります。
- 気管への誤挿入
- 消化管の出血、消化管穿孔
- 鼻の粘膜を傷つけることによる出血
これらの合併症が起きた場合には、最善の処置を行います。
通常、この処置を病院で行うときには、胃管が適切に挿入されたかどうか、挿入後にレントゲン検査等で確認いたします。
しかし在宅ではレントゲン等での確認が困難です。
よって適応に関しては主治医と十分に話し合ったうえで行います。